椅子が好き!失敗しないチェア選び~ワークチェア編「デザインよりも何よりも重視すべきは座り心地」

高機能ワークチェアをメインに扱うセレクトショップ「WORKAHOLIC」には、国内外15ブランド50脚のチェアがあり、すべて実際に座って座り心地を比べることができます。「WORKAHOLIC」を訪れる方の多くは、自宅用のワークチェアを探しているそうです。“自分だけの城”ともいえる書斎づくり、デスクコーナーづくりの軸であるチェア。それこそがまさしく自分の居場所! であれば、そこに座っているだけで楽しくなるようなチェアがほしくなるのは当然のことですよね。そんなワークチェアの選び方のポイントについて「WORKAHOLIC」のチェアコンシェルジュ・脇田 学さんに聞きました。
デザインよりもまずは座り心地を優先
「いちばん大切なのは、自分の体に合うかどうか。デザインなど気になる点はさまざまあると思いますが、各ブランドともいろいろなカラーを出しているので、まずは座った感覚を重視していただきたいと考えています。体重、筋肉量、骨格などは人それぞれです。チェアごとに高さや座面の深さなどは調整できますが、それだけではカバーできない部分があるので、実際に座って比べてみてください。しっくりくるものとそうでないものがあるはずです」


確かに座ってみると、それぞれフィット感が微妙に違うことがわかります。ピタッとくるものは“座っている”感覚がなく、まるで宙に浮いているか、あるいは寝ているような心地よさ。これなら長時間座っていても疲れなさそう。
体に合わないものは、使い続けていると姿勢が悪くなり疲れやすいばかりでなく、肩こり、腰痛などの問題が起きる可能性があるそうです。特に長時間パソコンに向かっているという人は要注意です。
ポイントは腰を支える「ランバーサポート」
とはいえ、たくさん座り比べていると、一体どういう状態が“体型に合っている”のかだんだんわからなくなってきてしまいます。“合っている”とはどういうことでしょうか。
「ランバーサポート、すなわち腰の支えに注目してください。その形はチェアごとに違います。背中と隙間できず一体感があるものが、その方にとって“合うチェア”。一般的に、ランバーサポートがしっかりしているチェアは、男性や体格のよい方に向いていると言えます」


女性や小柄な方は、デスクの高さに合わせてチェアも高くしなければならず、その結果、足が浮いてキャスターの上に載せてしまったり浅く座ったりして姿勢が崩れるケースが多く見られるようです。
「小柄な方もきちんと腰の位置にランバーサポートがくるように深く座り、フットレストを併用するなどして足元を安定させましょう」
座面はメッシュとクッションの違いがあるようですが、好みで選んでいいそうです。体重を分散させるメッシュは大柄な方に好まれ、安定感のあるクッションは小柄な人に好まれるのだとか。
首を支えるヘッドレストは主に休憩時用。1日中座って作業をするような人はあると便利ですが、その分、チェアの背が高くなり部屋が狭く感じられてしまうので、長時間座らない人や充分なスペースが取れない人はなくても問題ないそうです。

体に合ったワークチェアには、体に合ったデスクを

ワークチェアの機能を存分に生かすためには、デスク選びも大切。理想は、まず体にぴったり合うチェアを選び、次にチェアに合わせてデスクを購入という順番。
「オフィスで使用されるデスクは靴を履いていることを想定して、一般的に約72cnと少し高めになっています。そのせいか自宅の造り付けのデスクも高めにしてしまう方が多いのですが、それでは足が安定しません。靴がない分少し低めに設計するといいですね。いちばんおすすめは、造り付けではなく高さや角度を適宜変えられるデスクを合わせることです」
「WORKAHOLIC」には、天板を引き出し傾斜を付けられるデスクも販売しています。また、64〜129cmまで天板の高さを変えられ、パソコン使用時は座って、腰を休めたり、書類を広げる作業のときは立って行うなど、作業効率を上げることができるデスクもあります。


「忘れがちなのが、デスクの奥行き。『ノートパソコンを使うから』と奥行きの狭いデスクにしてしまうと、足元も狭くなってしまい使いづらくなってしまいます。また、あらかじめ引き出しが付いたデスクの場合はチェアが収まらない場合も。デスクはなるべくシンプルなものを選び、収納は後から付け足すようにしましょう」
ひとりひとり体型も違えば使用する時間も、部屋の大きさもまったく違います。ネットの口コミは参考程度にして、やはり実際に店舗に足を運び、脇田さんのような専門家に相談するのがベスト。「もうここから離れたくない!」と思ってしまうような“自分の城”を実現するために、とことんこだわりましょう!
